「男のきもの・織のきもの−大人の男のきもの談義

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No.43 サンセット   2001.01.24 16:02 
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袴姿に思うこと
 

 はじめまして。着物については駆け出しのサンセットと申します。

 石州流という武家茶道を習っている関係で、着物と接点ができました。初釜のため、今年は念願の仕舞平の袴を購入いたしました。因みに長着と羽織は米沢の鈴源さんの御召です。
小生も男の着物、特に袴姿には凛としたものを感じ、好きです。

 こんな話をものの本で読んだことがあります。近代の俳人に日野草城という人がいますが、彼が小学生のころ、ある紳士に、教育勅語を暗誦できるかと聞かれて、「はい、よく読みますが、帰って袴をはいてきますから。」と答えて、一旦、家に帰って忘れてところを覚えこみ、袴をつけていってすらすら暗誦し、件の紳士を驚かしたというものです。草城の機転の利かせ方が主題ですが、この話からは天皇のお言葉である勅語を読むにあたっては、幼い少年でも、袴をつけ威儀を正すという「覚悟」があったことがうかがわれます。これこそ私どもが失って久しいものではないでしょうか。
 これに比べ、昨今の高校生を見ると、ズボンをだらしない腰ばきにはいてずりおろし、平気で裾を引きずり、裾の切れたのをよしとする風潮です。一昔前のバンカラとも明らかに違い、いわゆるだらしない格好がトレンドなのです。外見のみで判断することはいいことではありませんが、少なくとも何か、大事をなそうという「覚悟」を感じることはできません。我々の先人が袴をつけることで自身に求めてきた凛とした気概を失って、今の日本は久しいものがあります。着物の復権とは日本人の気概の復権でもあると思います。
 長根さんの試みが大きく実を結ぶ日がくることを願ってやみません。

 
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  :1999年10月 1日   更 :2002年10月 1日


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